子育てを終えた、ご夫婦ふたりのための住まいを設計しました。
忙しい日々からひと段落して、これからゆっくり、丁寧に暮らしていく。そんなライフスタイルに合わせた家づくりです。
道路から見たファサードは、打ち放しコンクリートの壁と大きな庇で構成されています。どっしりとした存在感がありながら、圧迫感はありません。街並みのなかに静かに、でも確かに存在している、そんな外観です。
駐車スペースはコンクリート壁に挟まれた半屋外空間。雨の日でも濡れずに乗り降りできます。バリアフリー配慮のひとつです。
スチールのグリッド門扉を抜けると、砂利の小径が木製玄関扉へと続きます。外から内へとじんわり気持ちが切り替わるような導線になっています。
1階のリビング・ダイニングは、左官床と漆喰壁でまとめました。どちらも手仕事の質感があって、時間が経つほど味わいが増していく素材です。
大きなガラス引戸の先にはウッドデッキのテラスが広がっていて、内と外がゆるやかにつながっています。天気のいい日は引戸を開け放って、風を感じながらお茶でも飲む——そんな時間が似合う空間です。
洗面室と浴室は、この家のなかでもとくに素材感にこだわったスペースです。
洗面カウンターのワークトップは石材仕上げ。木製の引き出し収納と組み合わせることで、上質でありながら温かみのある雰囲気になりました。
浴室は壁・天井を総檜張りにして、床はタイル仕上げ。窓から自然光が入ってきて、檜の香りとともにゆったりお風呂に入れます。ユニットバスとは一味違う、この家ならではのリラックス空間です。
寝室はオークのフローリングと白い壁・天井でシンプルにまとめています。
大判の障子は閉めると外の光をやわらかく拡散させて、開けるとバルコニーへと視線と風が抜けます。朝は明るく、昼は静かで、夕方は影が美しい。時間帯によって空間の表情が変わるのが障子の面白いところです。現代的なインテリアのなかに、日本建築の知恵を取り込みました。
段差をなくして、床暖房で浴室に至るまですべての床を足元から均一に温める。水回りへのアクセスも使いやすく計画する。暮らしのなかに自然に溶け込むかたちで盛り込んでいます。
「年をとったから仕方なく」ではなく、「これからの暮らしをもっと快適に」という考え方で設計しました。
この家が、おふたりのこれからの日々にそっと寄り添えたら嬉しいです。
| 所在地 | 岐阜県岐阜市 |
|---|---|
| 構造 | 木造 |
| 用途 | 住宅 |
| 担当 | 門脇 後藤 町田 |