2024 夏
岐阜県庁「GALLERY GIFU」にて、インスタレーションと展示を担当した。
美濃和紙で出来たスクリーンは、入口から出口に至るまで「ひとつながりの川」をイメージした。分水嶺から分かれたそれぞれの水はそれぞれの場所で潤いを与え、豊かな農産物、伝統文化、芸術などが産まれた。飛騨では山の恵みを与え、祭りなどの文化をはぐくみ、美濃では水田を潤し和紙や鵜飼などの水との関わりの深い文化が育った。常に流れるその水は常に変化をしながらも人々のアイデンティティの源となり、営みの土台として岐阜県に住む人のこころに深く刻まれた「水」の記憶。全ては分水嶺から始まり、流れ込んだそれぞれの地域でそれぞれの文化が花開くが、その源流はひとつ。文化は繋がり、歴史とともに変化し、時は流れ続ける。
柔らかな和紙を使って空間を構成し導線も明確にし、空間ごとの展示物に集中できるような構成を意識した。和紙の壁は閉じた形にして、内部に照明を施して行灯のように光り、「清流」「濃水」「分水嶺」「飛山」の四つのテーマについて、県民のアイデンティティを象徴するような抽象的な詩を表現した。古代の和歌集より、美濃と飛騨にまつわる和歌を二首選定し、日本語カリグラフィで表現。スクリーン下部には、「ひとつながりの川」を現場での筆入れによって表現し、「分水嶺」を中心として「飛騨」「美濃」に水が流れ、文化も一つに繋がっているイメージを抽象的に表現した。
所在地 | 岐阜県岐阜市 |
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用途 | インスタレーション |