2019 春・啓蟄
築45年の住宅でした。
施主の祖父は校長を務めた教育者であったそうだが、当時建てた母屋は図面や資料が非常に丁寧に保管してあり、家を非常に大切にされたことが窺えた。建物はもちろん旧耐震であり、施主の希望もあって耐震設計、断熱改修に取り組んだ。市の補助を受ける必要があるため、耐震評点において1.0を超える設計と現場監理を構造担当の協力事務所と行った。祖父が建てた家への愛着と、古きものを愛する施主の美意識から、既存和室をできるだけ既存のままに残し新たに荒壁を付け、将来的に古物の店舗を構えるための空間を設えた。多大な費用をかけ改修することに反対の声もあったそうだが、完成を見て「こちらのほうが良かった」と言ってもらえた。という施主の言葉に心より安堵し、報われた思いになった。
所在地 | 愛知県犬山市 |
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構造 | 木造 |
用途 | 専用住宅 |
担当 | 門脇,町田 |